アードベッグ ガリレオ（Ardbeg Galileo）

去る2012年4月10日、エジンバラ国際科学センターから興味深い発表がありました。

2011年10月下旬にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた無人ロケット「ソユーズ」に、アードベッグニューメイク・スピリッツから抽出したアロマや風味に働きかける「テルペン」と呼ばれる科学物質の分子と、焦がした樽の木片積み込み、無重力状態でのウィスキーの熟成について科学的に解明する実験を、ナノラックス社（テキサス州 ヒューストン）と共同で行っていると。

この歴史的実験をPRするため、「アードベッグ　ロケットツアー」が、今年５月にシカゴから始まり、アードベッグのロゴをあしらったロケットを載せた車が街中を走りまわったそうです。なんかどこかの国の軍事パレードようですが…

こんな動画もありました。「サンダーバード」みたいですよ。
http://www.youtube.com/watch?v=E9qJyuElh2M&feature=youtu.be

そして、宇宙の遥か彼方で行われている実験を称える地球からの贈り物として、近代天文学の父「ガリレオ」にちなんで名づけられた「アードベッグ ガリレオ」が、2012年、9月1日、限定発売されました。

「アードベッグ ガリレオ」は、アードベッグ蒸留所の買収後間もない1999年蒸留の原酒を、シシリア島のマルサラワインの樽とファーストフィルのバーボン樽で、それぞれ12年以上熟成させたものをバッティングし、アルコール度数 49度、ノンチルフィルターでボトリングしています。
色は深い琥珀色です。香りは、アードベッグらしいピーティーさの中に熟したマンゴーやライチのような甘くフルーティーなニュアンスが窺えます。味わいは、シナモンやクローブ、アニスシードのようなスパイシーさは感じるものの、従来のアードベッグのような力強さはあまり無く、マルサラワイン樽由来のファッジのように甘くてクリーミーな味わいがいいバランスで主張しています。余韻は、スモーキーながらも甘みのあるフィニッシュが長く続きます.

本国から遅れること1ヶ月、2012年10月1日、「アードベッグ ガリレオ」は、日本でも発売されました。ビル・ラムズデン博士は、今後マルサラワイン樽を使うことはないと言っています。秋の夜長、宇宙への思いをはせながら、スモーキーさとフルーティーさのバランスの絶妙さを楽しんでみてはいかがですか？

￥1,200