ウィスキーはその昔、1953年に制定された古い酒税法により、アルコール度数43度以上が「特級」、40度以上43度未満が「一級」、39度以下が「二級」と3つに分類され、主に度数により酒税が分けられていました。今でこそ、アルコール度数4 0度のウィスキーが多くなりましたが、当時のスコッチウィスキーはモルトもブレンデッドもほとんどが43度以上あったため、「特級」に分類され、高い税率が課せられていました。
ところが、1989年消費税導入に伴う税制改革により、特級、一級、二級の分類は廃止され、掛かる税率が低くなりました。その結果、ウィスキーは今までより安く流通するようになり、1990年頃のモルトブームへと繋がっていきます。
しかしこのブームも、バブルの崩壊やワインブームの到来によって、終焉を迎えます。
そしてその頃から言われるようになった一言あります。

「昔のウィスキーは美味かった…」

確かに流通量の増加により、「質より量」ということがあったのかもしれませんが、私は昔を懐かしむノスタルジックが、味覚に影響しているのだと思っていました。
ところが、この概念を覆す一本がありました。

ジョニーウォーカー・ブラック・ラベル（Johnnie Walker Black Label）、いわゆる「ジョニ黒」といわれているものです。ただし、古い税法で管理されていた「特級」の表記があるものです。（ちなみに「ウイスキー特級」の横にある「◎にY」の表記は、横浜税関管轄の品物だという表記です。）

この「ジョニ黒」は、ブレンデッド・ウィスキー特有のアルコールの刺激感など全くありません。口当たり、喉越し共にスムーズで、現在の12年クラスのモルトと比較しても、勝るとも劣りません。この芳醇さ、甘さ、余韻の長さは、これが12年クラスのブレンデッドであることを忘れてしまうくらいです。
ぜひ現在の「ジョニ黒」と比べてみてください。持ったグラスを置くことすら忘れてしまうと思いますよ。

￥1,000～（入荷時の価格により多少変動します。）