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王家の秘酒~ドランブイ~

王家の秘酒~ドランブイ~

2013/06/10

題名を見ると、「インディー・ジョーンズ」のサブタイトルようですが、「ドランブイ(Drambuie)」というリキュールのお話です。

ドランブイ(Drambuie)とは、ゲール語のdram(飲む)とbuidheach(満足な)を合成させた言葉で、「満足できる飲み物(酒)」という意味で、熟成15年以上のハイランド・モルト・ウィスキーを中心に約40種類のスコッチ・ウィスキーをブレンドし、それにヒースの花のエキスや各種ハーブを融合し、ヒースの花から集めた蜂蜜を添加し、水、シロップを加えて作られています。

このドランブイ、ラベルをよく見ると、“Prince Charles Edward’s Liqueur”と書いてあり、製品化において、かつてイギリス王位継承戦争が絡んでいたことを物語っています。

1745年、ジョージ2世の時代に、スチュアート家のチャールズ・エドワード王子(愛称:ポニー・プリンス・チャーリー)は王位継承を主張して、亡命先のフランスからスチュアート家の父祖の地スコットランドに上陸し、ジョージ2世のいるロンドンを目指して南下していきました。

当時のスコットランドには、たくさんのスチュアート家推進派(ジャコバイト党員)がおり、チャールズ王子に加勢をしましたが、1746年にインバネス州カロデン・ムアの沼沢地で、グレートブリテン王国側指揮官カンバーランド公に惨敗し、チャールズ王子は無一文でフランスに逃げ帰ることを余儀なくされます。(カデロンの戦い)

この時、エドワード王子の首には3万ポンドという懸賞金がかけられましたが、そんな王子をかくまったのが、スカイ島グレンモアの豪族であるマッキノン家でした。マッキノン家は、王子のために船を手配し、再びフランスへと亡命させました。この時王子は、感謝の印として、王家に伝わる秘酒の製法を記した文書をマッキノン家に贈ります。
マッキノン家ではこの製法を家宝とし、150年ほど極秘扱いにしてきましたが、1906年、マルコム・マッキノン氏がエジンバラで、酒造会社の共同経営者になった時に商品化され、第二次世界大戦後になって大量生産されるようになりました。

映画俳優のハンフリー・ボガードは、このドランブイが大のお気に入りだったようで、彼のいきつけのバーで『最近ボギーは来てるの?』と聞かれたバーテンダーは、酒棚のドランブイのボトルをちらりと見てから、「このところお見えになっておりません。」と答えたというエピソードがあるようです。

今宵はあなたも「ボギー」になったつもりで、王家の秘酒に舌鼓を打ってみてはいかがですか?

 

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