切ない恋の印~ディサローノ・アマレット~
2013/02/13
巷はもうすぐバレンタインデー。実はバレンタインデーにぴったりな逸話のあるお酒があります。
ディサローノ・アマレット(DISARONNO AMARETTO)です。
杏仁の風味(アーモンドフレーバー)のする甘いお酒で、ロックで楽しんだり、ジンジャーエールで割ったり、カクテルにしたりと、女性にも人気のリキュールです。
アマレットの起源は、イタリアのルネッサンス時代にまで遡ります。
1525年頃、レオナルド・ダ・ヴィンチの門人、ベルナルディーノ・ルイーニ (Bernardino Luini, 1480年頃 – 1532年)が、サローノ町にあるサンタ・マリア・デッレ・ミラーコリ教会から、聖母マリアとキリストの生涯を描くフレスコ画群を依頼されます。
その制作中、ルイーニは街の宿屋に滞在しました。そこを切り盛りしていたのは若くて美しい未亡人。彼女のあまりの美しさに惹かれた彼は、彼女を聖母マリアのモデルとしてフレスコ画を完成させる同時に、彼女への思いを込めて彼女の肖像画を贈ります。
一方の女主人は、聖母マリアのモデルという栄誉に対する感謝の気持ちと、彼への思いに答えるべく、手一杯の杏の核をブランデーに漬け込み、かすかに甘く、美しい琥珀色のお酒を作り、彼へと贈ります。
ルイーニはその甘美で芳醇な香味に彼女を重ね、次の依頼主の元へと旅立ったといいます。
それ以来、このお酒は、「2人の恋の印」として知られるようになったのです。
ちなみにこの「2人の恋の印」は、1800年代初めに、サローノ町で薬屋兼食料品店を営んでいたカルロ・ドミニコ・レイナ氏によって復活され、発売されます。このお酒の味わいや香りがミラノ地方のお菓子、「アマレッティ」に似ていたことから、「サローノ町のアマレット(Amaretto di Saronno)として世に広まるようになり、ブランドネームの「Disaronno Aamretto」となったようです。
以来、レイナ家ではこのレシピを大切に守り、サローノ町で製造を続け、現在に至っています。
惹かれあう2人の恋の印は、400年以上経った今では、世界中で愛されているお酒になっています。
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