お酒にまつわるエトセトラ ＃14　～タウザー～

世界一の猫

スコットランドの多くの蒸留所では、ネズミや鳥などの害獣からウィスキーの原料である大麦を守る為に猫が飼われています。いわゆる「ウィスキーキャット」です。
ハイランドパーク蒸留所では、「アザー・キャット」と「キャット」、グレンモレンジ蒸留所では「スティル・ルーム・キャット」と「ジンジャー」と「ザット・ブラック・ワン」、ボウモア蒸留所では「キャット」、バルベニー蒸留所では「ヘアリー」　などなど。
そんな中、世界一になった猫がいます。
グレンタレット蒸留所で飼われていた、メス猫の「タウザー」（Towser 1963年4月21日 – 1987年3月20日）です。

このタウザー、23歳と11カ月生きた猫界のオールドパー。イギリスでは猫1年に対して人間7年で数えるので、人間の年に数えるとなんと161歳（168歳に1カ月と1日足らなかった…）。それだけでも驚きなのですが、さらにその生涯で28,899匹のネズミを捕獲し、世界一ネズミを捕った猫としてギネスブックに認定されているのです。また、タウザーは4月21日生まれで、偶然にも女王エリザベス2世と同じ誕生日。1986年のタウザー23歳の誕生日（奇しくもタウザーにとって最後の誕生日になってしまいました）には蒸留所のスタッフによって、エリザベス女王の下へ「同じ日に生まれたグレンタレット蒸留所ウィスキーキャット タウザー」とタウザー名義でバースディカードが送られました。これを受けたエリザベス女王からは「161歳の誕生日おめでとう」との旨が記された返事が送られています。

尚、タウザーの死後、グレンタレット蒸留所にはタウザーの銅像が建てられその偉業が称えています。