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お酒にまつわるエトセトラ #20~イスラ・デ・ピノス~

お酒にまつわるエトセトラ #20~イスラ・デ・ピノス~

2012/08/20

イスラ・デ・ピノス(パイナップルの生い茂る島)

先週のラムのお話に続いて、今週もラムにちなんだものをご紹介したいと思います。

1970年代後半から1980年代初頭にかけて、サントリーのキャンペーンもあって、日本ではトロピカル・カクテル・ブームが到来します。今となっては定番であるソルティ・ドッグやブルー・ハワイが人気を博したのもこの時期です。そんな中、いま一つ定番化しなかったカクテルがあります。「イスラ・デ・ピノス」です。当時は、最もお洒落なカクテルとされ、女性が「イスラ・デ・ピノス」をゆっくり飲むのがひとつのファッションだったそうです。

「イスラ・デ・ピノス」とは、スペイン語で“パイナップルの生い茂る島”という意味で、アメリカでは、「アイル・オブ・パインズ」の名で親しまれています。ホワイト・ラムをベースに、グレープフルーツ・ジュースたっぷり、グレナデン・シロップ少々というカクテルですが、“パイナップルの生い茂る島”と言うわりには、パイナップル・ジュースは使っておらず、香りにすらパイナップルを感じないのに、「なんでパイナップル?」というとても不思議なカクテルです。ただ、ホワイト・ラムの甘い香り、グレープフルーツのほのかな苦味と酸味、グレナデン・シロップの上品な色合いと甘さは、まったりとした南国リゾート気分に浸ることができます。この南国リゾートのイメージが“パイナップルの生い茂る島”なのかもしれません。さらに、トロピカルカクテルとしては爽やかな口当たりのこのカクテル、さっぱりしたカクテルが好まれる昨今でも充分ウケるでしょう。残り少ない夏を、このカクテルで満喫してみてはいかがですか?

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