お酒にまつわるエトセトラ #17~ダイキリとバカルディ・カクテル~
2012/01/09
ダイキリ(Daiquiri)とバカルディ・カクテル(Bacardi Cocktail)
ダイキリもバカルディ・カクテルもラムをベースとしライムジュースと甘味料で構成されている、キリリとしたさっぱり感のあるショート・カクテルです。
唯一異なるのは、ダイキリは砂糖で甘味をつけるのに対し、バカルディはグレナデン・シロップというザクロ風味のシロップで甘みをつけている点です。
そもそもダイキリとはキューバのサンチャゴ近郊にある鉱山の名前です。
1890年代、その鉱山で働く坑夫たちが休息に楽しんでいた、キューバ産のラム、砂糖、ライムをしぼって飲んでいた飲み物を、鉱山で技師として働いていたアメリカ人ジェニングス・コックス氏が鉱山にちなんで“ダイキリ”と名づけたのが始まりだとか。
当時はラムの臭いを消すために、グレナデン・シロップを使っていたバージョンのダイキリも飲まれていたようで、日本バーテンダー協会のオールド・スタイルのレシピでは、グレナデン・シロップを使用し、赤く仕上げるものを“ダイキリ”としておりました。ダイキリ鉱山は銅山だったようなので、キューバの夕陽に染まる真紅なダイキリ鉱山の幻想的な美しさが、カクテルのイメージにピッタリだったと思います。
そのレシピを、1933年の禁酒法廃止を機に、キューバで設立されたラム・メーカー、バカルディ社が販売促進用に“バカルディ・カクテル”と名づけ、キャンペーン用に発表します。さらに、バカルディ社以外のラムを使用して“バカルディ・カクテル”を提供したニューヨークの酒場に対し、1936年4月28日、ニューヨーク高裁が『バカルディ・カクテルは、必ずバカルディ・ラムを使用しなくてはならない』との判決を下します。いかにも、裁判大国アメリカらしい逸話ですが、有名なエピソードとして未だに語り継がれており、最高の宣伝となったようです。当店でもこの判決に忠実に従っておりますし…。
二卵性双生児のようなカクテル、ダイキリとバカルディ・カクテル。風味の違いを確かめてみて下さい。
また今の季節、ザクロ風味のシロップの代わりに、ザクロのフレッシュジュースをふんだんに使った“バカルディ・カクテル”もご用意しております。
ダイキリ ¥850
バカルディ・カクテル ¥850
フレッシュザクロのバカルディ・カクテル ¥1,300
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