Barの常備薬?~アンゴスチュラ・ビターズ~
2011/06/12
Barの常備薬?アンゴスチュラ・ビターズ
アンゴスチュラ・ビターズは、スペイン占領下カリブの小さな島国トリニダード・トバゴ産の苦味酒です。
元々このお酒は、南米ベネズエラのアンゴスチュラという町の英国軍病院で食欲不振や胃の疾患に悩む兵士たちを診ていたドイツ生まれのフランス人軍医ヨハン・ゴットリープ・ベンジャミン・シーゲルトが1824年に考案したものです。当時は、軍人のための健胃・強壮・解熱剤として使われたり、マラリアの予防の特効薬として使われたりしていました。
その博士が死んだのち、その子孫たちが秘伝のレシピを守ることを決意し、政情不安なベネズエラを捨てて、トリニダード・トバゴへと移住します。トリニダード・トバゴで作り始められたころは、ドクター・シーゲルツ・アロマチック・ビターズと名乗っていましたが、1846年にアンゴスチュラ町が、革命家でありコロンビアの大統領にもなったシモン・ボリバル(1783~1830)にちなんで「ボリバル町」と改名されたのを機に、酒名をアンゴスチュラ・ビターズに変更されました。
アンゴスチュラ・ビターズは、ラムをベースに、ゲンチアナ(リンドウの一種)、アンゴスチュラ樹皮など、数種類のハーブ、スパイスを配合したクセのある味わいです。
特に苦味が強いので、数滴加えるだけでカクテルにアクセントを与えることができるカクテルの名脇役です。
ヘミングウェイの小説「海流の中の島々」では、こんな一節があります。主人公で画家のトマス・ハドソンは、「ジンを入れる酒の中じゃ、こいつが一番いける。いい気分になれる。」とジン・トニックにアンゴスチュラ・ビターズを数滴垂らしバーテンダーに作らせた…
ヘミングウェイ自身もこのジン・トニックを好み、苦味を強調して味を引き締めていたそうです。
みなさんも試してみてはいかがですか?これからの季節にピッタリなスッキリとしたジン・トニックになりますよ。
----------------------------------------------------------------------
Bar Atrium en
〒105-0004
東京都港区新橋2-15-3 B1F
電話番号 : 03-3592-0003
----------------------------------------------------------------------